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4. 代名詞

人称代名詞

代名詞は名詞や名詞句の代わりとして使うことができるものです。

Singular Plural
mi vi
私たち
tu yu
あなた あなたたち
da di
彼、彼女、それ、その人 彼らは、彼女らは、それらは、あの人たちは

どの名詞にも性の区別はありません。パンドゥニアでは、どのような性の生物(や非生物)であっても、同じ代名詞で指し示すことができます。したがって、日本語の「彼、彼女、それ」のいずれに対しても、da が使われます。パンドゥニアは、全ての者たちを平等に扱うのです。

パンドゥニアには、「私たち」にあたる表現がみっつあります。 yumi は包摂的な(=聞き手を含む)代名詞で、「私、あなた、そして他のひと」と言い換えることができます。 dimi は非包摂的な(=聞き手を含まない)代名詞で、「私と他のひと(ただしあなたは含まない)」と言い換えることができます。そして、 vi は包摂性を問わずに使える代名詞です。

所有代名詞(「私の」「あなたの」など)をつくるときには、代名詞の次に se という単語を置きます。

Singular Plural
mi se vi se
わたしの わたしたちの
tu se yu se
あなたの あなたたちの
da se di se
かれの かれらの

再帰代名詞

文の目的語が主語と同じ場合に使われます。 日本語の「自身」という言葉と同じように、一人称(私自身)、二人称(あなた自身)、三人称(そのひと自身、それ自身)のいずれについても se を使って表現します。

sef – 自身、自分

mi vize sef. – I see myself.
da vize sef. – 彼女/彼/その人は自身を見ます。
vi vize sef. – 私達は自身を見た。
let mau ya lingue sef. – 小さな猫は自身(の体)を舐めた。

「お互い」にあたる表現は unotre を使ってつくります。

unotre – お互い

mi e tu vize unotre. – 私とあなたはお互いを見る。

vi vize unotre. – 私たちは互いを見つめあう。

指示代名詞

指示代名詞は対象を特定する際に使われます。パンドゥニアでは、指し示す対象と話し手との距離に応じて、以下のような指示代名詞を使い分けます。

da hir – この (近距離)
da der – その、あの (遠距離)
da – 前述の (既知)

近くにあるものを指し示すには da hir を使います。遠くにあるものを指し示すには da der を使います。

mi van da der mau. – 私はあの猫が欲しいです。
mi van da hir buk. – 私はこの本が欲しいです。

は、名詞に係って「この、あの、その」にあたる表現をつくるだけでなく、単独で「これ、あれ、それ」にあたる表現をつくる場合もあります。

da hir es gud.これは良い。

da der es bad.あれは悪い。

tu van da hir, he? – あなたはこれが欲しいの?

no, mi van da der. – いや、私はあれが欲しい。

指示代名詞の後に動詞が続く場合は、動詞の前に ya (否定文の場合には no)を置く必要があります。

da hir ye gani e da der no gani.こいつは歌うけど、あいつは歌わない。

da hir は「これ」と「この○○」を兼ねるので、ye を使わないと文の解釈が難しくなります。たとえば、上の例で ye を使わなかった場合、ye gani「この歌」と紛らわしいです)

上に挙げたふたつの代名詞(da hir, da der)は、まだ話題に上っていないものを取り上げるときに使われます。 それに対して、da は既に会話中で言及されたものや、聞き手が既に知っているものを指すときなどに使われます。

mi have un mau e un vaf. da vaf es dai. – 私は猫一匹と犬一匹を飼っています。その犬は大きいです。

指示代名詞の抽象的用法

指示代名詞は人や物だけでなく文などを指すこともできます。 da は既に言われてしまったことを指し、 da hir は今まさに言っている途中のことを指し、 da der はこれから言おうとしていることを指します。

da hir jumla es korte. – この文は短い。 mi seme da der: mi love tu. – 私が言いたいのはこういうことです:私はあなたを愛していると。(=私はあなたを愛していると言いたいのです。) mi love tu. mi seme da. – 私はあなたを愛しています。それが私の言いたいことです。

上の例では da der は自身の直後にある文(mi love tu)の内容を指し、 da は自身の直前にある文(mi love tu)の内容を指しています。

疑問代名詞

vat は汎用の疑問代名詞です。 「誰」や「何」を意味します。

vat? – 「誰?」または「何?」

副詞の疑問代名詞も vat を用いて hau と表現します。 「どのように」、「どのくらい」を意味します。

hau nove?どれくらい新しい?
hau koste?どれくらい(費用が)かかる?
hau meni? – いくつ、いくら(どれくらい多い)?
hau dai?どのくらい大きい?
hau let?どのくらい小さい?

tu have hau dai mau? – あなたはどのくらいの大きさの猫を飼っていますか?